イラストキャラクター

リボンを付けた女子高生 透過素材 表情差分

利用規約のご確認をお願いいたします

利用規約のご確認がまだの場合は、「利用規約 ガイドライン」のページより利用規約のご確認をお願いいたします。


設定

〔キャラクター名 頼城愛理(よりしろ えり)〕
ファッションデザイナーを目指す、至って普通の女子高生。

幼少の頃より手芸好きの母親から、ミシンの使い方や裁縫の事を学んでおり高校生になった今では、自分でデザインした服を生地から自分で作ってしまうほどの実力。

他人のコミュニケーションをとるのが苦手で、クラスでは孤立しがち。

何やら暗い過去があるようだが…。

好き:かわいいもの、イチゴ味のチョコ、読書

嫌い:グロテスクなもの

ストーリーを読む

幼稚園に通っていた幼少の頃からクラスの友達と仲良くなれなかった愛理に両親は彼女が欲しがっていた人形をプレゼントした。

その人形はひとりぼっちで寂しくて泣いてしまうこともあった愛理にとっての初めての友達になった。
やがて、好きだった絵本の登場人物の名前を取って「メリー」と名前を付けたのだった。

母から裁縫を習っていた愛理は人形の糸がほつれれば丁寧に治し、メリーのために新しい服を作って着せたりして可愛がった。

本を読み聞かせたり、お菓子や料理を食べさせるふりをして愛理はメリーと本当の友達のように過ごしたのだった。

愛理が小学生に上がった頃もクラスの友達に馴染むことができず、休み時間にはメリーの衣装を作り、授業が終われば颯爽と自宅に帰り、メリーとの時間を過ごしていた。

ある日、学校に着いた愛理のランドセルにメリーが入っていた。
愛理はメリーを連れてきたわけではなかったが、何かの拍子にランドセルに入ってしまったようだ。

運悪くランドセルの中はメリーは教師に見つかってしまい、放課後までメリーを預かられることになってしまう。

教師はメリーの頭を鷲掴みにして持ち去ろうとしたとき、それが奪われて捨てられてしまうと感じた愛理は教師の持つメリーを取り返そうとメリーの足を掴んだ。

両方向から引っ張られるメリー。


メリーは首元からちぎれて、頭と胴体部分の二つになってしまった。

泣き崩れる、愛理に困った教師は人形の頭部を愛理に返して慰めようとしたが、愛理は授業中も泣き続けた。

授業が終わり、家に帰った愛理は急いでメリーの頭と胴体を縫合する。
メリーの体は綿を布で包んでできたぬいぐるみの体に針金が通してあり簡単なポーズなら付けられるようになっている構造だった。

首元の針金も折れてしまっていたので、メリーを元の体に戻すために普段は裁縫で使うこともない針金を使って必死に治療した。

慣れない作業と数時間の格闘の末、無事メリーは元の姿に戻った。

意図してなかったとは言え、学校にメリーを持って行ってしまったゆえに発生してしまった事態をメリーに謝りながら反省する愛理であった。

メリーが学校に来てしまった事件から数か月、裁縫の腕もかなり上がっており、大人顔負けの作品が作れるようになっていた。
愛理は同じ生地を使って、リボン付きのカチューシャを自分の分とメリーの分を作って、お揃いのリボンを自分とメリーの永遠の「友達の証」とした。


愛理が小学6年生になった頃、愛理の傍にメリーの姿はなかった。
同学年の皆が「お人形遊び」や「おままごと」から離れたのと同じように愛理もメリーに構うこともなくなっていた。
幼い頃に読み聞かせてもらっていた絵本や自分が作った不格好なアクセサリーやぬいぐるみと共にクローゼットの奥にしまわれていた。

愛理は以前クラスメイトとは仲良くできなかったが、一人で過ごす時間にすっかり慣れてしまい、むしろこのほうが自由に時間を使える分、この状況の方が気が楽だと思って過ごしていた。

愛理が中学生になる頃、さらに荷物が増える中学生生活に備えて春休み中に自室の大掃除を始める。

幼い頃に自分が山ほど作った作品、何度も読み返した絵本、人形のために作った衣装、そして名前も思い出せない人形。

勉強に必要無い物はすべてゴミに出した。







それから3年ほど経ったとき。愛理は高校生になっていた。
相変わらずクラスメイトとは必要以上のことは喋らない、家では勉強と読書をして過ごすだけの生活になっていた。

そんなある日、休み時間に読書していた愛理の耳にとある噂話が聞こえてきた。

そのうわさ話の内容は

「人形に殺される」

内心、鼻で笑う愛理。
「血が通っていなければ意思もない人形がなぜ?そもそも動くこともできないのにどうやって人と襲うというのだ?」

少し考えれば誰でもわかるようなことを怖がっている生徒たちを呆れたような目で見る愛理だった。

その噂話を聞いていると、その人形は「メリー」という名前らしい。

聞き覚えのある名前に少し寒気を感じる愛理。



「でねぇ、そのメリーさんから電話がかかってくるんだって」

「何度も電話がかかってきてね、その度に近くに移動しているんだって」

「そして最後にはね…」

「キャーーー!!」

「なんてね、ただの都市伝説だって!驚きすぎー!」

噂話をしていた生徒たちが騒いでいた。


「そうだ、ただの都市伝説なんだ」

愛理は自分にそう言い聞かせた。
「メリー」だなんてよくある名前だ。ただの偶然。


そんなある日、愛理のクラスメイトが塾帰りに通り魔に襲われて命を落としたとの訃報が朝の会で教師から語られた。
通り魔は手掛かりを全く残していないらしく、まだ捕まっていないらしい。

教師からはそれ以外語られなかったが「凶器はノコギリ」「同じ事件が他の場所でも起こっている」「犯人はメリーさん」などの噂が広まった。

授業は昼までで中止され、通り魔が捕まるまでは休校となった。

通り魔を恐れて、皆が友達同士で固まって下校する中、愛理は一人で下校していた。
幸い愛理の自宅は高校から徒歩で20分ほどで着く、人通りも多い繁華街を通るため危険なことは無いだろう。

「プルルルルルルルル」

繁華街を歩いていた時、愛理の携帯に電話がかかってくる。

愛理は自宅でも学校内でも構わずマナーモードにしているはずだが、大きな音で着信音が鳴った。

慌てて携帯を取り出す愛理。

画面を見ると、相手は非通知。

昨今は電話を使った詐欺や犯罪も多い、非通知の電話は出ないに限る。
ネットやテレビのニュースやワイドショーでさんざん言われていることだ。

そんなことを思っていると勝手に電話が繋がった。

「私メリー」

そう聞こえてきた。

「やっと見つけたよ、えり」

「私の…メリーの大事な友達」

噂で聞いていた「メリー」という人物からの電話、そしてそのメリーが自分の名を知っていることにゾッとする愛理。

「えりに会いたかったから…」

「メリーはね…」

「人間の命を集めた」

気が動転して全くその言葉の意味が分からなかった。
いや、冷静でもその言葉の意味を理解できないだろう。

「知ってる?」

電話の相手はまるで友達に問いかけるかのような優しい声色で話を続ける。

「人形の命をたくさん集めれば…」

「人形は人間になれるんだよ」


「人形」「メリー」…愛理は自分が幼い頃に可愛がっていた人形のことを思い出す。
捨ててしまったあの人形のことを。

「あと少しで…」

「人間になれる」

「あと一つ命があれば」


咄嗟に周りに助けようとする愛理。
しかし繁華街だというのに周りには誰一人いない。
そしてまるで凍ってしまったかのように体は動かず声を上げることもできない。

「やっぱり最後は…」

「友達のあなたじゃないとね」

「えりは特別だからね」

「私たちの館に招待するね」

「皆であなたが来るのを待っているよ」


電話の相手はそう告げると、電話はプツリと切れた。

やがて、周りからはがやがやといつもの繁華街が賑わう声が聞こえてきた。

「人形」「メリー」「友達」……間違いない、電話の相手は私が捨てたあの人形「メリー」


気が付くと愛理の手にはいびつな字体で「しょうたいじょう」と書かれた紙が握られていた。

その紙には地図が描かれている。

地図には「えりのおうち」「わたしたちのおうち」と書かれた場所がある。

電話の相手は「待っている」と言っていた、私にそこへ行けという意味なのだろうか。


もし、自分がそこへ行かなかったら、また誰かが人形に殺されてしまうのだろうか?
いや、待ちぼうけをくらって怒ればもっと恐ろしいことをするかもしれない…。

そして、もし「それ」が自分が捨てた人形なのだとしたら、きっと自分が決着を付けないといけないことなのかもしれない。


愛理はその足で、目的地に向かって歩み始めた。

街はずれの森の中を少し進んだ場所、目的地についた愛理の前に不気味な洋館が現れた。


人間と人形、2人の歪な友情の物語が始まる。

タイトルとURLをコピーしました