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メリーさん 透過素材 表情差分

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〔キャラクター名 メリー・パーソン〕
捨てられた人形や玩具たちの怨念の集合体。

最初は球体関節人形に近い姿だったが、自分たちを捨てた人形や玩具の持ち主の命をいくつも集めたことで人間と同じ姿に近づいている。


好き:友達

嫌い:嘘つき

ストーリーを読む


量販店のおもちゃ売り場で売られていた人形。
一見ぬいぐるみだが、中に針金が通してあり簡単なポーズならつけられるようになっていた。

しかし、昨今人気なのはアニメキャラクターの人形やおもちゃであり、その人形は俗にいう「売れ残り」であった。
商品棚の下の方の片隅に押し込められるように並べられていたその人形を目を輝かせてみる少女がいた。

少女は人形を手に取り、父親の元へ駆けよっていった。



次の日、人形の少女の部屋にいた。

少女は人形に本を読んでくれた。

少女の名前は「えり」という名前で、私の名前は「メリー」という名前らしい。

えりは私に「いちごのちょこれーと」をくれた、私は「おくち」という部分が開かないのでえりがくれたそれを食べられなかった。ちょっと残念だった。


えりは私が怪我をしたら治療してくれたり、新しい服を作ってくれたりした。

ある日を境にえりと過ごす時間が少なくなってしまった。

えりは「がっこう」というところに行っているらしい。

きっとがっこうは私の過ごすより楽しい場所なのかもしれない。

私もえりと一緒にがっこうに行きたい。

私はえりにがっこうに連れて行ってもらうことにした。


がっこうという場所に来たようだ。

えり以外にもたくさんお友達がいる。

なるほど、これは楽しい場所だ。
えりが毎日のように私を置いてがっこうに来ているのも仕方がないことなのかもしれない。

私は鞄の中を覗くえりと話していた。

えりの後ろからえりより大きい動物が来た。
私がえりと会う前にいた場所にも似たような動物がいた。

あそこにいた動物は私を掴んで投げたり、狭いところに押し込んだりするのだ。

その動物は私の頭を掴んだ。

ああ、痛い……。

なにやらギャーギャー吠えている、私に、ではない。

その動物はえりに吠えているらしい。

えりは私の足を掴んで引っ張った。

きっと、私を助けようとしてくれているんだ。

すると動物の方も凄い力で私を引っ張り始めた。

痛い……。


でもえりが私を助けてくれる…。

痛い…。

痛い……。

痛い………。


「グチャッ」

聞いたことが無い音が聞こえた後、私は意識を失ってしまった。



気が付くと、えりの部屋にいた。

私はえりに抱えられているようだ。

こちらを見るえりの目の周りは腫れている。

えりの手は赤くなっていた。
そして、なんだか変なにおいがする。

ああ、これは「チ」だ。

えりが私の服を作ってくれた時もこのにおいがした。


なんとなく首に違和感を感じる。

気持ち悪いわけではないのだ。
むしろ気持ちがいい。

きっと痛いことから、えりが私を救ってくれたのだろう。
私は心の底からえりに感謝した。

私は喋れないからえりがいつも言ってくれるように「ありがとう」と言えないのが残念だ。

私ががっこうに行ってしまうと、また同じことになってしまうかもしれない。
もうがっこうについていくのはやめよう。





ある日、えりが頭にリボンを付けていた。
にやにやしてこちらを見ていて、私も笑ってしまいそうになった。

えりがこちらに駆け寄ってきて私の頭に何かしている…。

えりが私の前に鏡を持ってきた。

鏡に映る私の頭には愛えりと同じリボンが飾ってあった。

えりと同じリボンだ。

えりは自分の頭に飾ってあるリボンを指さしながら、それを永遠の友達の証だと言った。

私はその時、えりが本当の友達なのだと改めで実感することができた。

えりは私にたくさん服やアクセサリーを作ってくれたが、このリボンが一番のお気に入りだ。



それから、たくさん時間が経った頃、えりが私と過ごしてくれる時間は減っていた。

えりは机で紙をみて細い棒を動かすばかりで私を見てくれない。

私の体にはホコリがたくさんついてる。
ホコリがついているのは嫌だ。



すると、えりは扉を開いて私を暗い部屋に閉じ込めた。
はじめは、ここならホコリが付かないからと思ったが、ここでもホコリはつく。

どうしてえりは私をこんな場所に…。

寂しい…。


私にホコリがたくさんついた頃。
えりは私を袋の中へ投げ入れた。

えりが私に作ってくれた衣装やたまに話すことがあったマスコット人形達も同じ袋に入っている。
えりが読んでくれた絵本も一緒だ。
これなら寂しくない…。

ああ、きっと皆ホコリで汚れてしまったから綺麗にしてくれるのだろう。

えりは袋に入った私たちをどこかに連れて行ってくれるようだ。

いつ袋から出してくれるのだろうと心待ちにしていると、どこかへ落ちていくような感じがした。




熱い…

熱い……

熱い………!

私の体が無くなっていく。

助けて…えり私の友達……。

私の体は消えた。







帰らないと、…りのところへ。

私が一人では寂しかったのと同じように、え…も今頃寂しがっているかもしれない。


私は一緒に燃えてしまった、人形やものたちの力を借りてどうにか動けるようになった。




早く行かないと…急がないと……!







あれ?私はどこへ行けばいいだっけ。







ああ、思い出した。

私や私の友達を苦しめた奴にも同じ…いや、それ以上の苦しみを与えないといけないんだった。

でもまずは体が欲しい、体が無いと復讐もできない。


ここにはたくさん怨念があるらしい、仮の体なら簡単に作れそうだ。

私が念じると、奴らに復讐の念を抱くお友達がたくさん集まってくれた。


こんなにたくさん集まってくれるなんてありがとう、体のないお友達。
皆のおかげで体ができたよ。

でもやっぱり、モノの魂だけでは少し不自由だね。

でも仕方ない、人間の魂を取り込んでいったら私の体も人間に近づいていくはず…。


まずは人間を探さないとね、電話だっけ?この道具の名前。

この電話で人間を探してみることにしようかな…。




私は人間の魂を…命をたくさん集めた。

恨みがあるやつもないやつも構わず。


あと少しで私は人間になれる。


そういえば私はどうして人間になりたいんだっけ?


「ただ一人の友達を慰めるため」
私の永遠の友達……えりはまた一人ぼっちで泣いているかもしれない。


いや違った。


私がここまで来たのは…







「嘘つきに復讐するため」だったね。
そう、えりが私の一部になればずっと一緒にいられる。

捨てることも捨てられることもなく…。


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