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ヘッドホンを付けた少女 透過素材 表情差分

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〔キャラクター名 百瀬萌花(ももせ ほのか)〕
敏腕ネットゲーマーを名乗る少女。

ゲーム内でのハンドルネームは現実では明かしていないため、彼女の現実での知り合いも、ネットゲーム内での知り合いも彼女の正体が分からない状態になっている。

大体のジャンルのゲームは好きだが、中でも「格闘ゲーム」と「2Dシューティングゲーム」が得意。
大会でも良い結果を残せる程の実力の持ち主だが極度のあがり症で人前に出るのが苦手なため大会に参加することが考えていない。

最近はFPSゲームの腕を上げているらしい。

好き:コンビニのおにぎり、エナジードリンク
嫌い:学校、カップラーメン

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今日もPCでFPSゲームをプレイする萌花。
ゲームでの目的はただ一つ、銃撃戦を生き抜き最後の一人になることだ。

山や荒野、森の中を舞台にした毎回ランダムに生成されるステージで、武器やアイテム、はたまた地形なども利用して他のプレイヤーと戦う。

萌花がこのゲームを始めたのは数か月前。
昨今好きなジャンルだった2Dシューティングゲームのソフトの新作があまり発売されなくなってしまったので、初めてFPSに手を出したのだった。

同じ「シューティングゲーム」というジャンルであってもその操作やテクニックは全く異なる。
2Dシューティングでは上位に入るテクニックを持っていた萌花もFPSではまったくといっていいほど結果を残せなかった。


だが、運よくゲーム終盤まで生き残れたり他のプレイヤーを倒せたときは2Dシューティングでは味わえない楽しさを味わえる。
少しずつFPSの世界にのめり込んでいく萌花であった。




FPSを始めてから数か月、今の萌花はかなり高い確率で最後まで生き抜くことができるトップ層とも呼べるプレイヤーになっていた。

ゲーム中盤まではステージの地形を調べつつ回復アイテムを集めながら、たまに弱い武器しか持っていない丸腰のプレイヤーを倒すという動き方をして、終盤からは地形を利用した強力な武器による狙撃で勝利を掴み取るのが彼女のスタイル。
敵狙われた際はため込んだ回復アイテムを惜しげもなく使用し敵から逃げ切ることで少しでも勝率を上げる。

このゲームの醍醐味ともいえる「毎回違うランダムな地形」こそが彼女の戦略の要であるので、序盤から中盤にかけてのステージ探索は欠かさない。


今日も勝利を目指して回復アイテムを集めつつステージを探索する萌花。
彼女のアバターは画面の中の荒野を駆けている。

どうやらこの場所は隠れることには向いていないようだ。
長居すると敵に狙われる可能性もあるのですぐにこの場を離れるべき。

そう思って後ろを振り向いた萌花。

いままで描画されていたはずの背景やオブジェクトは消えており、眼前には真っ黒の空間が広がっている。
更に後ろを向きなおすと、そちらも同じく真っ黒の空間が広がっていた。
例えるなら黒い画像の上にプレイヤーキャラクターがいるような感じだ。


バグを目撃する、それはゲームプレイヤーであれば珍しいことでもない。

メニューを開くことができれば「リタイア」することができるが、どうやらバグの影響かメニューを開くことはできないようだ。

こうなってしまったら、ゲームを強制終了してやり直すしかない。


なんとなくコントローラーで操作してみるとメニューが開けなかったりアイテムが使用できなかったりするものの移動は辛うじてできるようだ。

もしかしたらある程度移動すればもとのゲームに復帰できるかもしれない…。

好奇心とゲームに復帰できる少しの希望を感じてキャラクターを移動させるためのスティックを上方向に入力する。


画面内のキャラクターは何もない空間は一生懸命に走っている。


自分はステージの東西南北どの方向に進んでいるのかすら分からない。


1分ほど進んだ頃。

黒い空間の中に遠くに都市のような場所が見えた。

「お、バグが治った!」

そう思ってその場所まで駆ける。


このゲームは主に自然の中での戦いがメインとなるゲームだ。
もちろん民家がゲーム内に登場することもあるが、都市というのはゲームの世界観と離れすぎている気がする。

もしかして「没マップ」という奴だろうか?
あるいは今後実装されるイベントのマップだろうか?

駆けながらいろいろなことを考える。


息が切れるまで走った頃、ついに都市までたどり着いた。
普段はゲームばかりしていて運動なんてしていないから、走るのはなかなか辛かった。

都市には自販機や飲食店もあるようだ。
自販機でジュースを買おうと思ったが、どうやら専用の貨幣しか対応していないらしい。

とりあえず一休みしようと萌花は目に入ったベンチに腰掛けた。


「…」



「どうして私はここにいる?」



自分はゲームをしていたはずだが……。

ゲーム中に寝落ちしていつの間にか街に来た?

おかしい。

よく考えたらここには車も走っていなければ人も歩いていない。

地面や建物の壁をよく見るとチカチカと点滅している部分も見られる。
以前にVRゲームをプレイしたときに同じようなバグを見たことある。

そのときはVRゴーグルを外せば現実に戻ることができたが。今回はそうもいかない。

ここがゲームの中の世界…かは分からないが、少なくとも現実ではない。

でも焦ることは無い、あの黒い空間を通ってここに来たのならあの黒い空間を引き返せば帰れるはずだ。

都市と黒い空間の境界に立つ萌花。


自分がどの方角から来たのか…分からなかった。

もし間違った方へ進んでしまったら…どうなるのか。

そもそも怖い、どこまで続いているのかも分からない闇に足を踏み出すのが…。

後ずさりし、都市内に戻ることにする。


ゲームで遊べないのは辛いが、幸いそこには食べ物や休める場所もあるようなのである程度は生活できそうだ。
もしかしたら、自分と同じくここへ来ている者もいるかもしれない。

淡い期待を胸に、とりあえず謎の都市で時間を潰してみる萌花であった。






また一人、現実から迷い込んでしまった。
このイジゲンサーバーへ。

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