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夜の商店街の怪
部屋主 トラ子


トラ子です
今日は私が話をさせてもらいます

ようこそ、トラ子さん

他の方を待ちますね

はい
シラユキ@大福 星 ふるこ(偽名) パステルプルーが入室しました

よろしくお願いします

よろしくお願いするのですわー

ネコ子さんよろしくお願いします

ネコ子じゃなくてトラ子だ

名前間違っちゃってごめんなさい

別にいいよ、虎も猫だしな

じゃあ早速怪異の話していくか

お願いします

あたしの住んでいる地域には「夜間営業禁止」っていう変わったルールの商店街があるんだよ

飲食店がメインの商店街だと、夜の方が稼ぎ時って感じがするのにね

ああ、その商店街はずっと昔からあって、ずっと昔から夜間営業禁止のルールがあるらしくてな、店も八百屋とか精肉店とか食料を売っているとこが多くて、飲食店も無くは無いが開店は夕方までって決まってるんだ

商店街に店を出している皆さんはしっかり夜間営業禁止のルールを守っているのですね

おじいちゃんのそのまたおじいちゃんが子供の頃には既にあったルールらしいし、地域に完全に染み込んでるんだろうな、誰もそれを破ろうとするやつはいないよ

営業禁止ってだけで、歩いたりするのは大丈夫なの

禁止はされてないらしいけど、暗くて危ないから近づくなとは子供の頃から言われてるぞ

その商店街、夜こそ静まり返るが、昼は大盛況でさ、あたしも学校帰りに肉や野菜だのを買って来いってよく母親に使われるんだよ

商品もいいものが揃っているのですか?

ああ、いいものが安い値段で手に入る、理想の商店街って感じだよ
欠点を言うなら、すぐに商品が無くなってしまうことかな

夜にはお店を閉じないといけないから、売り切ることができるように入荷する数も減らしてるのかな

そうだろうな、なんとなくだが客の方も夜までに「商店街の商品を買い切らないといけない」みたいなプレッシャーを感じて、ついつい買い込んでしまうみたいなところはある

で、この部屋の名前からして、昼間は平和な商店街に夜になると怪異が現れるっていうことだよね

まあね、昼の商店街の話はこの辺にして、夜の商店街の話に切り替えるか

夜の商店街…夜?…まさかUFO?

違うし

あれはあたしが夜に学校の宿題を進めてた時の話だ

教科書の内容をノートに書き写す簡単な宿題だったんだが、写すページ数が多くてノートのページが足りなかったんだよ

それでコンビニにノートを買いに行くことになったんだが、近くのコンビニには私がいつも使ってるブランドのノートを置いて無くてさ、少し遠いけど品揃えがいい別のコンビニに行くことにしたんだ

ノートって同じブランドで揃えたくなるよね

ついでに、赤色のノートは国語、青色のノートは数学って分けたくなるよね

で、そのコンビニに行くのに、例の商店街を通ればかなり近道になるんだよ
宿題は明日提出だったし、1分でも時間が惜しいから、私は真っ暗な商店街を抜けて近道をすることにした

夜の商店街は暗くて危険なのでは?そんな軽い気持ちで入ってよいものなのですか?

別に商店街が通行止めとかされてるわけじゃないからな、暗い道とは言えほとんどまっすぐの道だし迷いようはないからさ

あたしは初めて夜にその商店街を通ることになった
今まで昼には何度も来ているけど、そこは本当に真っ暗で賑やかな昼の商店街の雰囲気を微塵も感じさせない異様な空間だった

嫌な予感…

あたしはしばらく商店街を早足で歩いていた、正直なところ暗いのは怖いからな、早く抜けたかったんだ

そこであの音が聞こえた
……「チャリーン」…10円玉や100円玉を落とした時のような音だった

暗闇の中で誰かがお金を落としたとか

人がいなくなった商店街で、誰かがレジ荒らしをしているのかもしれませんわ!

かなり遠くから聞こえたが、一応あたしは自分の財布からお金が落ちたんじゃないかと思って床を見回した

でも真っ暗で床の様子なんて分からないから探しようがなかった
「空耳だった」「商店街の奥で歩いている人がお金を落としたんだ」と自分に言い聞かせて、私は先に進んだ

そして、しばらく歩いて気付く「あたしはどこに向かって進んでいるんだ?」

コンビニに向かおうとしているんじゃないの?

いや、それは分かっていた、でもこの商店街のどこに向かって進めばいいのか、それが分からなくなっていた

いくら暗い商店街と言えど、入口と出口はは外に面している訳ですから、入口と出口から見える光に向かって進めばよいのでは?

だから、そんなこと分かってる、後ろを向くとあたしが入ってきた商店街の入口がある、それは分かる
次に反対方向を見る、入口の反対方向、本来なら出口があるはずの方をだ

そこには何があったの?

何も無かったんだよ、ただ真っ暗闇がひたすら広がっていたんだ

でも、入口からまっすぐ進めば出口があるのは、あたしはよく知っていた
何て言ったって、昼にはしょっちゅうこの商店街に来ているんだからな

それで、トラ子さんはどうされたのですか?

出口に向かって進む、それだけだ
私はとりあえず壁伝いに歩くことにした

トラ子さん勇気あるね、私なら引き返すと思う…

その途中でも何度かチャリーンが聞こえたよ
商店街を奥に進むにつれて大きな音になっていた

あたしは壁伝いに商店街を進んだ
後ろを向くと、入ってきた入口から見える光はだいぶ小さくなっていた

かなり商店街の奥まで進んだんだね

ああ、ちょうど中間くらいのところだったはずだ…
そしてそこでまたあの音が聞こえた……「チャリーン」

さっきは遠くから聞こえたが、今度はすぐ近くで聞こえた
「何の目的でチャリンチャリン鳴らしてるのかは分からないけど、そこに誰かがいる」あたしはそう思った

こんな場所でお金の音を鳴らして遊んでいるなんて…いったい何者?

あたしは咄嗟に思いついた、携帯電話には懐中電灯の機能があることを
これで音の方向を照らしてやる、そう思ったんだ

もっと早く懐中電灯のことを気付いておけば…

あたしはポッケから携帯電話を取り出すと、懐中電灯機能をオンにして音の聞こえた方向に向けた

携帯電話が点灯すると、光が床を照らした
そこには1円玉やら100円玉がいくつも散らばっていた

暗闇の中で誰かがお金をばら撒いているのかな

足元に散らばったお金より、私はソイツの正体が知りたくて光を上に向けた

光で照らした先には何かがいた
「象のように大きい」「体がテカテカしている」「長い舌がある」そんなことしかわからなかったが、とにかく普通じゃない何かがそこにいた

大きくてテカテカしている………まさか魚屋さんのマグロ!?

マグロに長い舌はありませんわよ

マグロだとしても、死んじゃってるし、お金なんてばら撒かないでしょ…

あたしは恐る恐る光の方向を上に向けて、ソレが何なのか確かめようとしたんだ

あたしがソレに光を向けると、まるでミラーボールのように周囲に光が散らばって周囲が照らされた

光に照らされて現れたのは、でっかいカエルのような姿をした何かだった
背中にはどでかい銭のような何かが刺さっていたように見えた

カエルはあたしを食べようとしたのか、長い舌を近づけてくる

怪物だー喰われるー!

あたしは一目散に出口の方に向けて走った

出口見つかったの?

ああ、でっかいカエルが商店街の出口から入る光を遮って、出口が無いように見えていたんだ

走っているときに何度か背中を叩かれたあたしは無我夢中で走った
背中を叩かれる度に体が重くなっていくような気がした

あたしは今までにないくらいに全力疾走して、商店街を出た

心臓のバクバクが止まらないままコンビニでノートを買ったあたしは、商店街は通らず遠回りをして家に帰った

帰ってこれてよかったー

大きいカエルさんは「いた」というだけで特に何もしては来なかったんですね

家に帰った私は、すぐに両親にあのカエルのことを話した

「運が良かったな」父さんがそういった

運良く逃げ切れたってことだね、やっぱり危ない怪異だったんだ

いや、父さんの話だとあのカエルは福神の使いらしくて、見た者に幸運を与える存在らしいんだよ
それに会えて運が良かったってことらしい

そんな話を聞いていると母さんが気付いた、母さんは私が来ていたパーカーのフードを指さして驚いている

逃げるときにカエルに背中を叩かれてましたから…まさか怪我を

フードにはベタベタになった銭がたくさん入っていた
母さんはそれを見て驚いていたんだ

銭って?

1円玉から500円玉までの硬貨だ
合計3000円分くらい入ってたぞ

もしかしてカエルの神様からの贈り物かな

分からん、とりあえずカエルさんが私のフードにお金を入れたのは間違いない
父さんの話だと、あそこの商店街が夜になると閉じるのは、夜はその福神の使いのカエルさんが銭を拾い集めに現れるかららしい
カエルさんが通る邪魔にならないように店を閉じるってことだな
あそこの商店街が繁盛しているのもこのカエルさんの力が影響しているとかなんとか言ってたし、かなり昔からいるんじゃないか?

でも

でも?

金や御利益目当てで何回も夜の商店街に行っていると…

行っていると?

喰われちまうんだってさ、カエルさんに…

なんと!

あのカエルさんに喰われると、腹の中で消化されてお金にされるんだって

私がもらったあの3000円ほどの銭だって、誰かが喰われてお金に変えられたものなのかもしれない、そう思うと使う気になれなくて使わずに取ってあるんだ

カエルさんからもらったお金ってご利益ありそうだよね
色々な意味で使わない方がよさそう

金目当てでカエルさんに近付く悪いやつをビビらせるための噂の可能性もあるけど、私もあの夜の商店街には近付かないことにしたよ
正直カエルさんデカくて怖いし、神様の邪魔もしたくないからね

私の話は終わりだよ
最後まで聞いてくれてありがとう

お話楽しかったです
カエルさんのお話を聞いただけでもご利益ありそう

面白かったよ、ネコ子さんお話してくれてありがとう

カエルさんグッズとか作ったら町おこしになりそうですわね

そういえばさ、書いてて思い出したんだけど私が小学生の頃と中学生の頃、例の商店街の近くの学校に通ってたんだけど、結構な頻度で生徒が行方不明になってたんだよね…ま、今回の話とは関係ないか

それじゃ、私はこれで

トラ子さん、貴重なお話、ありがとうございました
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銭蝦蟇(ぜにがま)
ある地域に生息する巨大なカエルのような姿をした怪異。
好物は金と人間。
特定の商店街を住処にしており、昼間は液体に姿を変えて商店街下の下水道に潜んでいる。
夜になると姿を現し、道に落ちている銭を探して食べる。
商店街で人の気配を感じると、口から銭を吐き出して「チャリーン」という音を出して人間を呼び寄せる。
見た目や名前から間違えやすいが、カエルではなく「サンショウウオ」に近い生物。
この怪異が人間と遭遇したとき…
1度目は小遣いをやる
2度目の遭遇ではさらに多額の小遣いをやる
3度目、金に目が眩んで仲間を連れてきた人間をまとめて捕食する
3度目について、仲間を連れてこない場合でも3回目で対象の人間は必ず捕食される。
喰われた人間は消化されて金(きん)に変えられる、この金から同価値の銭を作り出し、次の獲物を呼び出すための餌にする。
その商店街について、古い時代では「夜には危険な存在が現れるため、近づいてはならない」と伝えられていたが、その怪異が一時的にとは言え金をくれるということや背中に銭を背負った縁起のよい姿をしているために、現代では「夜には福神の使いが現れるので、気を損ねないためにも近づいてはならない」と同じ「近づいてはならない」でも別の理由で伝わっている。無論、怪異の正体は先述した通りであり「危険な存在」である方が正しい。
夜の商店街「チャリーン」と銭の落ちる音が聞こえたのなら、それはこの怪異があなたを誘っているのかもしれない。
さくらこ