
濁水のバケツ
元々はただのバケツ。
召使いをいじめるため雇い主ががわざとバケツの水を汚すという悪行を繰り返していたところ、何もせずとも水が濁るようになったという、悪意ある者の行いが発端になった呪宝。
そのバケツで純水を汲み上げてもすぐに汚染され、飲むどころが掃除にすらもあやしい。
しかし、バケツ内の濁水に手を入れると、手から老廃物を吸い出し、健康かつ美しい体にしてくれるのだという。
急激に周囲の悪意や穢れを吸い取っているために中の水を濁らせているのかもしれない。
バケツの水を汚されていやがらせを受けた召使いは汚れた水で掃除を続け、この呪宝の影響でやがてはその地域一の美女になり、王子の妃に選ばれたのだという。
悪意と希望を秘めた、悲劇と逆転のバケツ。
