
安眠の笛
不眠病に悩まされていた姫の為に、呪術師に作らせた笛。
姫は母の子守歌だけでなく睡眠作用のある薬すらも効かなかったが、この笛の音を聞くとぐっすりと眠ることができるようになった。
しかし、安眠の理由はこの笛の音が心地よかったからだけではなく、呪力を含んだ音色が聞いた者の精神を黒く塗りつぶしてしまうからである。
考えることも動くこともできなくなることで周りからは眠っているように見えているだけなのだ。
(限りなく睡眠に近い状態ではある)
この笛の音の虜になった姫は、目が覚めてはこの笛を吹いて偽りの眠りにつき、やがては衰弱して死んでしまった。
あまりに安らかな顔で死んでいた姫の姿は絵画として残されたという。
姫が死んだ頃、この笛を作った呪術師は姿をくらましており、笛仕組みやどのような方法で呪いの力を音に乗せているのかも不明である。
その笛の力に目を付けた盗賊が王国からこの笛を盗み出して悪用しているのだという。
音に呪いの力が含まれているので耳栓などをして音を聞かないようにすればこの影響を無効化できる。
この笛の奏者になろうとするのなら、何らかの方法で音を聞かないようにすべきだろう。
