
大罪人の棺
古い時代、不死身の肉体を持っていた大罪人を処すために、拘束した大罪人と肉を食べて成長する虫を無数に入れて封じられたという伝承がある鋼鉄の棺桶。
それから数年後、冒険中にこの棺を見つけた旅人は恐る恐る蓋を開いた。
棺桶の中には1匹の巨大な虫以外のものは入っておらず、虫は棺桶の蓋が開くと否や旅人に襲いかかった。
旅人は起点を利かせて、この棺桶の中に逃げ込んで虫からの攻撃を凌いだ。
長い時間が経ち、虫の気配はなくなったところで旅人はこの棺桶から出た。
途方もなく長い時間棺桶の中に入っていたにも関わらず、旅人の肉体は朽ちておらず、外では数百年の時間が過ぎていたという。
不死身の大罪人の力が棺桶に宿っているのだろうか。
余談だが、この棺桶の中に入っていたとされる虫は凶暴かつ狡猾で不死身の肉体を持ち、世界各地で人を襲っているとの噂がある。
帰還の棺
エルフの一族が使用していたという棺。
エルフ族の寿命は非常に長いことが知られているが、エルフとて死なないわけではない。
自然と共に生きるエルフは死んだ後は自然に還るべきであると考えており、この棺に生物の亡骸を入れると数日ほどで土に還った。
そして、その土を森に撒くことが古い時代のエルフ族の仕来りだった。
エルフ族が使っている間は決して悪しき物ではなかったのだが、人間の一族がエルフ族からこの棺を奪い、人の命を奪うためや証拠を隠滅するために使用するようになり。この棺は人々の悪意とのエルフ族の恨み、怒りの対象となる禁断の棺となった。
現在、この棺の所在は不明。
